身体の上半身の末端部である「手」も又、皆さんがご存知の「耳」や「足」と同じように全身の情報を表現しています。それは同時に「双方向性」を持つ「ツボの特徴」から、表現している部分はそのまま対応している身体内部に起こった障害を治療する(効果を持つ)ツボと成るのです。
つまり、体内の情報は「手」や「耳」や「足」などの末端部に一方通行的に表れるのではなく、同時に末端部→→身体内部へのフィードバックする双方向のルートを持っているのです。
このように「ツボ療法」とは中国医学の長い歴史と経験から、体内→→体表面へと身体内部の情報が辿り出て来る事実を発見して、そこには何らかの内と外を結ぶ道筋が有るに違いないと想定したのです。 であればその道筋をそのまま逆戻りに辿って、外部からの刺激を「救援物資」として体表面→→体内へ持ち帰って貰う事で情報の発信源に起こった障害を食い止めたり癒したりしようとする治療法なのですね。
手に表れるツボもとてもたくさん有ります。 ここでは主なツボ類を三つに分けて紹介します。

鍼灸医学の基本的考え方である、身体中を巡る14経線〔経絡)上に有るツボの数々
経絡上のルートには無いが、独自の効果を持つ(周囲のツボと関連しない)単独で存在するツボ
後世の鍼灸医が発見した効果の高いツボはこれに当たります。
韓国の鍼灸医が発見した独自の手と全身との関係及び治療のツボ


「経穴」はこのページの下段で、「奇穴」と「高麗手指穴」は別のページで説明していますのでクリックしてご覧下さい。


手には陰〔裏側)陽〔表側)にそれぞれ3系統づつ合計6経絡のツボ群があります
◆手の平側 (陰経)@肺経A心包経B心経
●手の甲側 (陽経)@大腸A三焦経B小腸経

手の画像の中のツボ名をクリックして下さい。 
 
ツボ名の読み方、 場所(☆)、効果を示す症状(★)、ツボ治療操作(※)が分かります
 
鍼灸を学ぶ方のご参考までに治療動作も記しました。

◆陰経〔手の平側)のツボ        ●陽経〔手の背側)のツボ
手先陰経のツボ
◆肺経
1.少商(しょうしょう)
☆母指橈側で、爪甲の角から約1分離れた爪甲根部。
★鼻出血、咽喉部の腫脹、扁桃腺、発熱、嘔吐、昏迷、脳卒中、熱中症。
※直刺で0.1寸。あるいは、点刺して、出血させる。灸も可。

2.魚際(ぎょさい)
☆第1中手骨の掌側の中点で赤白肉際のところ。
★喉痺、咳嗽、吐血、失音症、悪寒・発熱、腹痛
※直刺で0.5〜0.8寸。禁灸。ただし、歯痛だけは灸可。

3.太淵(たいえん)
☆橈側の手根横紋上で、橈骨動脈橈側の陥凹部。
★咳嗽、呼吸困難、喀血、咽喉部の腫脹・疼痛、動悸
欠盆部(鎖骨上窩部)の牽引痛、無月経、脈なし病
※@直刺で0.2〜0.3寸。灸も可 A刺針の時は動脈を避け、直刺で3〜5分


◆心包経

1.中衝(ちゅうしょう)
☆中指先端の中央
★中風、熱中症、昏迷、急性の驚風、熱病、煩悶感、
舌の強直・腫脹、疼痛、失語症、掌中の熱感、吐き下し、 小児の夜泣き。
※局所の微痛


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2.労宮(ろうきゅう)
★手掌中央の横紋の中で、第2・3中手骨の間。 拳を握り、中指先端のあたる所が本穴。
☆心部痛、癲狂、癇証、嘔吐、口内炎、口臭。
※直刺で0.3〜0.5寸。灸も可

3.大陵(だいりょう)
手根横紋の中央で、長掌筋腱と橈側手根屈筋の間。
手掌を植えに向けて、取穴する。
☆動悸、心部痛、胃痛、嘔吐、驚悸、癲狂、癇証、胸脇部痛。
※直刺で0.5〜0.8寸。灸も可

◆心経

1.少衝(しょうしょう)
☆小指橈側で、爪甲の角から1分離れた爪甲根部。
★動悸、心部痛、胸脇痛、癲狂(てんきょう:精神錯乱) 熱性疾患による昏迷。
※斜針で0.1寸。あるいは、点刺して、出血させる。灸も可。

2.少府(しょうふ)
☆手掌内側で、第4・5中手骨の間、 拳を握った時の小指先端のあたる所で、
労宮穴と水平の高さにある。
★心部痛と胸中の煩悶感、排尿困難、遺尿、小指の痙攣・拘縮、 掌中の熱感、皮膚の掻痒感。
※直刺で0.3〜0.5寸。灸も可。

3.神門(しんもん)
☆尺側手根屈筋腱の橈側。手根横紋上で豆状骨の上方。
★心部痛、心煩(胸中の煩悶感)、健忘、不眠症、驚悸、癲狂癇、
目の黄ばみ、脇痛、掌中の熱感。
※直刺で0.3〜0.5寸。灸も可。

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手先の陽経のツボ
●大腸経
1.商陽(しょうよう)
★示指の橈側、爪甲角から約1分爪甲根部。
☆咽喉部の腫脹・疼痛・歯痛、オトガイ部の腫脹、手指のしびれ、 熱病、昏迷
※直刺で0.1寸。あるいは、点刺して、出血させる。灸も可。


2.二間(じかん)
★軽く拳を握り、第2手指節関節の前方で、橈側の表裏の肌目。
☆目疾患、鼻出血、歯痛、咽喉部の腫脹・疼痛。
※直刺で0.3寸。灸も可。


3.三間(さんかん)
★軽く拳を握り、第2手指節関節の橈側後方、第2中手骨頭んの上方。
☆目痛、歯痛、咽喉部の腫脹・疼痛、手指や手背の発赤・腫脹。
※直刺で0.3〜0.5寸。あるいは合谷へ向けて斜刺。灸も可。


4.合谷(ごうこく)
★手背の第1・2中手背の間で、第2中手骨橈側の中点。
☆頭痛、目の充血・腫脹・疼痛、鼻出血、歯痛、顔面部の浮腫、
咽喉部の腫脹・疼痛、指の痙攣、腕の痛み、口や眼の歪み、
熱病で無汗のもの、多汗症、無月経、出産時の早期破水、赤痢。
※直刺で0.5〜0.8寸。灸も可。


5.陽渓(ようけい)
★手根背部の橈側で、母指を外に開いた時、短母指伸筋腱と
長母指伸筋腱の間にできる陥凹部。
☆耳鳴り、目の充血・腫脹・疼痛、歯痛、喉痺、風疹、手根部の痛み。
※直刺で0.3〜0.5寸。灸も可

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●三焦経

1.関衝(かんしょう)
★薬指尺側にある。爪甲角より約1分の爪甲根部。
☆頭痛、目の充血、咽喉部の腫脹・疼痛、舌の強ばり、 熱病、心悶。
※浅刺で0.1寸、あるいは、点刺して、出血させる。灸も可。

2.液門(えきもん)
★第4・5指の接合部で、中手指節関節前の陥凹部。
☆頭痛、目の充血、聾(つんぼ)、咽喉部の腫脹・疼痛、 マラリア、手や腕の痛み。
※直刺で0.3〜0.5寸。灸も可。

3.中渚(ちゅうしょ)
手背の第4・5中手骨間で、中手指節関節後方の陥凹部。
☆頭痛、目の充血、聾、耳鳴り、咽喉部の腫脹・疼痛、熱病、 手や腕の痛み、手指の屈伸困難。
※直刺で0.3〜0.5寸。灸も可。

4.陽池(ようち)
★手根背側の横紋中で、(総)指伸筋腱の尺側の陥凹中にある。
☆手根部の痛み、肩や腕の痛み、聾、マラリア、消渇(糖尿病)
※@直刺で0.3〜0.5寸。灸も可 A斜刺で0.3〜0.5寸。


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●小腸経

1.少沢(しょうたく)
★小指の尺側にあり、爪甲角を隔たること約1分の爪甲根部。
☆熱病、人事不省、乳汁分泌不全、咽喉部の腫脹・疼痛、目翳。
※直刺で0.1寸。あるいは、点刺して、出血させる。灸も可。

2.前谷(ぜんこく)
★拳を握り、第5中手指節関節の前方尺側、表裏の肌目にある。
☆熱病、手足のしびれ、上肢の拳上困難、頭・項部の痛み。
※直刺で0.2〜0.3寸。灸も可。


3.後渓(こうけい)
★拳を握り、第5中手指節関節の後方尺側、表裏の肌目にある。
☆頭痛、項部の強ばり、目の充血、肘・腕、手指の痙攣拘縮、熱病、 癲癇、マラリア、盗汗。
※直刺で0.5〜0.7寸。灸も可。

4.腕骨(わんこつ)
★手掌の尺側、第5中手骨底と三角骨の間の陥凹部。
☆頭痛、項部の強ばり、目翳(種々の眼疾患による視力障害。角膜片雲、角膜斑)
脇痛、黄疸、熱病。 ※直刺で0.3〜0.5寸。灸も可。

5.陽谷(ようこく)
★手根関節の尺側にあり、尺骨茎状突起と三角骨の間の陥凹部。
☆頸・項部の腫脹、上肢外側の痛み、手・手根部の痛み、熱病。
※直刺で0.3〜0.4寸。灸も可。

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